VUメーター
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe! 音楽ストリーミングが当たり前になった今、私たちは「音」をデータとして消費しています。
しかし、かつてのオーディオ全盛期――大阪・日本橋や秋葉原が、今とは別の熱気に満ちていたあの頃、音楽はもっと物理的で、視覚的な楽しみでもありました。
針が音楽の抑揚に合わせて踊る「VUメーター」。
かつて愛用していたオープンリールデッキ(SONY TC-9400A)や
自作アンプには必ずつけていたその「鼓動」が、無性に恋しくなったのです。
YouTubeで偶然見かけた動画がトリガーとなり、私のDIY魂に火がつきました。
「売っていないなら、作ればいい」そう決意し、あえて茨の道を選びました。
これは、単なるキットの組み立て記録ではなく、「回路図なし」という制約を、アナログな知恵と最新のAI技術で乗り越えた、執念のドキュメンタリーです。
このSONY TC-9400Aは、大阪から引っ越した時に自分でコンデンサなどを交換し50Hz対応に変更したこともありました。
(当時は複数周波数に自動対応するものは無く、富士川と糸魚川を境に東西で多くのモーターを持つ電化製品が50c/sと60c/s対応と別れていました。
周波数表示もヘルツではなくCycles Per Secondという表記でした。))
荒波の幕開け:購入から到着までのトラブル
Amazonマーケットプレイスの洗礼
まずは物の調達です。
Amazonで検索すると、同じ見た目のキットが10数店舗から出品されていました。
価格は2,600円台〜5,500円超と価格差2倍以上で、乱立状態。なんなんだこれ
しかも、外観はおろか、基板まで同じ
それで「中身は同じだろう」と確信し、最安値(2,625円)の店で注文・・・、
これが製作が大幅に遅れてしまうことに繋がってしまいました。
まさかの「税関Stop」と再注文
注文から数日後、出品者から片言の日本語でメールが届きます。
「お客様の荷物が税関で阻止され、配送できません。
(中略)全額返金または再発送をご希望ですか?」
電子部品の輸入で税関ストップとは穏やかではありません。
何が含まれていたのかは謎のままキャンセルし、
今度は、Primeという信頼感と、レビュー件数が多い同一商品(3,398円)を注文。

数日後、ようやく手元に届いたキット。
アクリルブロックに乗せてみると、まだ配線もしていないのに昭和の雰囲気が漂います。
しかし、ここからが本当の戦いです。
戦略的攻略:回路図なき基板への挑戦
Amazonの商品ページを見た時点で、
「回路図は付属していない」ことは判明していました。
しかし、自分好みの操作性を実現するためには、回路の理解と改造が不可欠です。
そこで私は、あらかじめ2つの「攻略プラン」を用意して挑みました。
攻略プラン
作戦A:原始的アナログ解析「光透過法」
基板の配線パターンを目視で追うのは基本ですが、部品が乗っていると隠れて見えません。
そこで用意したのが強力なLEDライトです。「光透過法」とでも言いましょうか

このようにライトの上に基板をセットし、下から強い光を当てます。


まるでレントゲン撮影のように、基板内部の影を浮かび上がらせる作戦です。

結果は……「半分成功、半分失敗」。
単層基板ならこれで全て丸裸にできるのですが、
この基板は多層構造(あるいは両面スルーホールで配線が複雑)になっているようで、
光を通さない中間層や、部品の影で追いきれないラインが多数ありました。
ただ、これも想定内の限界です。
読みとった回路を図にしてみました。
トレーシングペーパーに書きとって、基板と書きとったトレーシングペーパーを表裏で確認しながら
少しずつ書いて行った内容を最終的に清書しました。(でも限界でした)

この過程で、電源とトリマ型ポテンショメータの入れ替えの凡そが判明しました。
でも、ポテンショメータのピン ①と ③の 位置が分かりません
作戦B:生成AI「Gemini」との共闘
ここでプランBの発動です。現代の最強ツール、AIの画像認識能力を借ります。
生成AI「Gemini」への依頼と限界

撮影した基板画像と透過画像をGeminiにアップロードし、以下のようなプロンプトで解析を依頼しました。
「これらの基板画像と、主要ICの型番(L7812CV, BA6138)と、
書き起こした回路図メモから三端子レギュレータ、ブリッジダイオードの存在、
大小の電解コンデンサの容量(1000μFと2.2μFが6つ)と、セラミックコンデンサは「容量不明」を、回路周辺にたくさん存在する抵抗器はカラーコードから抵抗値を読みとる様に、と Geminiに伝え周辺の回路構成を推測し、
トリマ型可変抵抗の役割(感度調整)を果たしている回路を特定し」、
部品表(BOM)の作成と、回路図の推測をプロンプトから依頼しました。
(ICの型番は画像からは読み取れなかったので、このキットの過去のレビューを参考に予想)
VUメータ駆動回路 部品表 (BOM)
GEMINIにあらゆる角度から撮影したプリント基板の画像をアップして、部品表を展開してもらいました。もちろん画像では不明な部品は、こちらから分かる範囲で部品番号、部品名などを伝えました。凄いですね生成AIは、ここまでできるんです。伝えた事は以下のみ。
「Gemini」以下の画像から部品表(BOM)を出力して。 尚、当方で読み取れる部品番号は提示するので参考に、抵抗値は各抵抗器のカラーコードから読み取って表示して。
- ブリッジダイーオードが1個
- 3端子レギュレータが1個
- IC1:L7812CV(3端子)が1個
- IC2:BA6138(9端子)が1個
- 大きな電解コンデンサは、1000μF 耐圧35V
- 小さな電解コンデンサは、2.2μF 耐圧50Vが6個
- セラミックコンデンサは、規格が不明なのが2個
- ポテンショメータは、w202が2個
BOM Table-Top
この表は、”GEMINI”で展開してもらった部品表をTable形式に記述し直したものです。
| # | 部品名 | 参照番号 | 規格/値 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 集積回路 | IC1 | L7812CV (3端子) | 1 | 12V正電圧レギュレータ |
| 2 | 集積回路 | IC2 | BA6138 (9端子) | 1 | ステレオVUメーター駆動IC |
| 3 | 整流器 | D1 (周辺) | ブリッジダイオード (DB107等) | 1 | AC入力の整流に使用 |
| 4 | 電解コンデンサ | C6 (大) | 1000μF/35V | 1 | メイン電源平滑 |
| 5 | 電解コンデンサ | C1, C2, C3, C4, C5, C7 | 2.2μF/50V | 6 | 信号系デカップリング、バイパス |
| 6 | セラミックコンデンサ | C8, C9 | 2 | 規格不明 (読み取り不可) | |
| 7 | 可変抵抗 | VR1, VR2 | W202 (2kΩ) | 2 | VUメーター感度調整用ポテンショメータ |
| 8 | 抵抗器 (大: 青色) | R9, R10 | 1kΩ (茶-黒-赤-金) | 2 | 電源ラインまたはメーター駆動回路 |
| 9 | 抵抗器 (小: 青色/ベージュ) | R1, R2, R3, R4 | 470¥Omega (黄-紫-茶-金) | 4※ | 信号入力段、IC2周辺 (数量は推測) |
| 10 | 抵抗器 | R5, R6 | 10kΩ (茶-黒-橙-金) | 2※ | IC2周辺 (数量は推測) |
| 11 | 抵抗器 | R7, R8 | 2.2kΩ (赤-赤-赤-金) | 2※ | IC2周辺 (数量は推測) |
| 12 | トランジスタ/FET | T1 (周辺) | (詳細不明) | 1※ | 電源/駆動回路用 (数量は推測) |
| 13 | 端子台 | CN1 | 3P (INPUT) | 1 | 信号入力 (L/GND/R) |
| 14 | 端子台 | CN7 | 2P (AC IN) | 1 | AC 9V/12V電源入力 |
| 15 | 端子台 | CN2, CN3, CN4, CN5, CN6, CN8, CN9 | 2P (OUTPUT) | 7 | VUメーター、LED、電源出力など |
BOM Table-end BOM table-topに戻る
Resistor analysis Table-Top
この表は、”GEMINI”で画像のカラーコードを読み取ってもらい展開してもらった抵抗器の一覧をTable形式に記述したものです。
| # | 抵抗器 | カラーコード | 1桁目 | 2桁目 | 乗数 | 許容差 | 抵抗値 (Ω) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | R9, R10 (青色大) | 茶-黒-赤-金 | 1 | 0 | ×102 | ±5% | 1000¥Omega (1kΩ) |
| 2 | R1, R2, R3, R4 (小) | 黄-紫-茶-金 | 4 | 7 | ×101 | ±5% | 470¥Omega |
| 3 | R7, R8 (小) | 赤-赤-赤-金 | 2 | 2 | ×103 | ±5% | 2200¥Omega (2.2kΩ) |
Resistor analysis-end Resistor analysis-topに戻る
VUメータ駆動回路図
Geminiの回答は優秀でした。
ICのデータシート情報を元に「おそらくこのコンデンサは平滑用」「この抵抗は分圧用」といったヒントを提示してくれました。
しかし、AIと言えども、見えない配線を完璧に繋ぐことはできず、
出力された回路図は配線が断絶していたり、左右チャンネルが混ざっていたりと、そのまま使えるレベルではありませんでした。
(皆さんは、ご存じでしょうか?今の「GEMINI」は、無償版でも-Pro版(思考モード)と画像処理の🍌(ナノばななーPro)が同時に使えるんです。もちろん時間制限がありますが、短時間の作業であれば十分です。)
「今までに挙げた画像と展開してもらったBOMから推測できる回路図を出力できる?」➡ ・・・これだけだと、文書で一覧表示されるだけです。
(当然と言えば当然かも:出力してとは言っていない)
更に以下の指示を出してみました。
「それでは回路図を出力して」➡・・・これでも、文書で一覧表示されるだけです。
(生成AIの限界でしょうか?)3端子レギュレータの画像が1個だけです。
- 更に指示してみました。「回路図を画像出力して」➡ やっと回路図の画像が出力されました。(やはりプロンプトの内容・「明確な指示」が大事な様です。) ・・・果たして正しい回路図なのでしょうか?
- ➡ ダウンロードしてみます。
- ➡ VUのOUTと、VU LEDのOUTの L/Rがごちゃ混ぜになっていますネ
➡ 他にも回路が途切れていたり・・・、
ここは、仕方ないですねプリント基板の透過撮影が完全にできなかったので。
最終的には、
「目視」+「テスターでの導通確認」+「AIのヒント」を統合し、改造に必要な箇所の特定に成功しました。
完璧な回路図は作れませんでしたが、「どこをいじれば感度が変わるか」「どこから電源を取るか
(元々はAC電源仕様、これをDC電源への移行)」という”回路解析の”目的は達成です。
改造計画:ユーザビリティへのこだわり
キット素組みの状態では、感度調整のために、いちいちケースを開ける必要があります。それはあまりに不便だし、スマートでない。今回の改造の目玉は以下の2点です。
1. 感度調整のフロントパネル化
基板上の小さな半固定抵抗(トリマ型)を撤去し、前面操作パネルに2連のポテンショメータ(可変型2kΩ)を設置し、 ここからリード線で撤去部分の ① ② ③ 端子に接続(はんだ付け)し、いつでも手元で針の振れ具合を調整可能にする。
2. バックライト照度調整の追加
眩しすぎない様に。または、気分に合わせてVUメータ照明の明るさをコントーロールするために、背面に10kΩの2連ポテンショメータを追加する。
「コンパクトなケースにこだわった結果、正面パネルには余裕もないし、照明コントロールは頻繁に使わないから、バックライト照度調整は背面で良い。」

(左:信号調整用 2kΩ、右:照明調整用 10kΩ)
抵抗値の選定も重要です。
信号ラインにはインピーダンスへの影響を抑えつつ
調整しやすい2kΩを、照明用には電流制限として適切な10kΩを選びました。
(質問欄への投稿で、レビュー者さんから回答がありました。「販売店・ロットにより」回路のトリマポテンショメータが「W102」の場合と「W202」の場合があるそうです。)
金属加工の沼:34mmの大穴を開けろ

緻密な(?)設計とケガキ

ケースは基板とVUメーター本体2つが、ギリギリ入るアルミケース(110×40×100mm)。
天板と底板それぞれ1.5mm厚で想定。正面パネルの高さ40mm、
結果で想定すると、ケース内部の高さは37mm、ここにVUメーターの34mmの円柱部を収める(殆ど余裕なし)
まずは100均の方眼紙を使ってレイアウトをシミュレーションします。(書いてみて初めて分かる余裕のなさ)
正面に、VUメーター2つ、電源スイッチ、ポテンショメーター、および背後の配線が干渉しない様に。
背面は、電源ジャック、ポテンショメーター、RCA端子2つ、および配線です。

決定した位置をアルミパネルに転写(ケガキ)します。
特に、前面パネル高さ40mmに対してVUメーター用の直径34mmという巨大な穴の位置決めは失敗が許されません。
(ケース内部では上下に1.5mmずつの余裕しかない。)

画像上部にあるのはケガキペン。他にデバイダ:ケガキコンパスを使用


ケガキ円の中心点にセンタポンチを使ってドリルガイドの印をつけます。
更に、それぞれに開ける穴のサイズにそって、ガイドライン用の小さな穴を、1.5mm~4.5mmまでのドリルビットで開けます。


恐怖のホールソー加工

今回の為だけ? に購入した”34mmのホールソー”・・・結構威圧感あり
最大の難関、穴あけです。
ボール盤があれば楽勝ですが、我が家にあるのはハンドドリルのみ。
アルミ板はドリルが引っかかると凶器のように回転して暴れるため、非常に危険です。

このように、桐板の端材に木ネジで固定し、更に重量物の棚板の余材(長さ980mm✖幅250mm✖厚さ50mm)と絶対に動かないようクランプ代わりの木ネジで2重に固定しました。

低速でじっくりと刃を入れていきます。
焦らず少しずつ。

金属が削れる甲高い音と、飛び散るアルミの切り粉

貫通! バリ(金属のささくれ)が大量に出ました。サンドペーパーで丁寧に仕上げます。
中心がわずかにズレましたが、メーターのベゼル(縁)で隠れる範囲内。
(左右のメーターで高さが微妙に違うことになるのは、手作りならではの愛嬌)許容範囲です。

仮組みの喜び

苦労して開けた穴にメーターがピッタリ収まった瞬間。
この達成感があるから自作はやめられません。
底板にはインシュレータを取り付けています。
(「それっぽくなってきた」と自己満足)
平面配置イメージ

背面のイメージ


実装と配線:美しさよりも「絶縁」
基板の手術
電源回路
ブリッジダイオードのバイパス

CN6は、本来AC入力なのですが、ブリッジダイオードをバイパスすることで、DC入力に変更します。またこの先にある電解コンデンサ1000μFは外す(画像ではまだ残っていますが)元々は整流後の平滑回路として利用されていたものですが、ダイオードをバイパスして、外部の安定電源からDC供給(Let’s noteのAC-DCアダプタから)なので不要です。いくら耐圧35vあっても無駄にしかなりません。
VUレベル調整回路
(1) トリマ抵抗器2つの除去
・・・W数の少ないはんだごてでの作業で、中々はんだが温まりません
(2) やっと外すことができた
・・・基板上のトリマ抵抗痕を(ハンダ吸い取り線など持っていないから)フラックスと、こてを使って綺麗に除去します。

VR2とVR1を外したところ。端子ピン番号は左から ① ② ③
取外したポテンショメータ:拡大画像

改めてポテンショメータ下部の回路を確認してみる。

やはり①ピンのみしか「回路が」分からない。
VR2:L ① ➡ CN4+VUへ、
VR1:R ① ➡ CN2+VUへ、それぞれ接続している
(3) 外付けポテンショメーター用リード線のはんだ付け
・・・除去したランド(穴)にリード線をはんだ付けします。
隣のランドとの距離が1mm位しかないので、はんだブリッジしない様に、息を止めての作業です。

必殺ホットボンド固め

振動や引っ張りによる断線や、狭いケース内でのショートを防ぐため、
ハンダ付け箇所をホットボンド(グルー)で埋め尽くしました。
見た目は「グロテスク」ですが、信頼性は抜群。基板下側で見えなくなる場所こそ、実利を取ります。
2連ポテンショメータへのリード線のはんだ付け
作業性を考慮して前面パネルへの取り付けは後で行います
前面用のポテンショメータへの接続
先ほど頼はんだ付けしてきたリード線の接続先、VUメータ レベルコントロール2連ポテンショメータへのはんだ付けを行います。

そしてここも、リード線の保護(断線予防)と絶縁確保の為、ホットボンドで固定します

背面端子へのリード線付け
続いて背面端子へのリード線のはんだ付けを行います。

VUメータへのリード線はんだ付け

左右のVUメータへの各端子にリード線のはんだ付けが終わりました。

ここは、ネジ締めでの接続です。端子が小さいので精密ドライバーのマイナスビットが必要です。
RCA入力からの取り付けは後回しです。
(リード線が、ゴチャゴチャしているので、整理が必要です。)
ここで、一気に進めると、後で基盤取り付けが大変になるから・・・です。
VUメータ制御基板の各端子盤への取り付け

RCA入力からの取り付けです。
徐々に向きを変えていきます。
お気づきでしょうか?背面パネルの向きが「設計時とは」逆です。
理由は、端子盤設置の向きに関係します(大きな電解コンデンサがVUメーターにあたるのを防ぐ為です)

VUメータ制御基板の取り付け
一度、前面パネルを外しました。
思った以上に、各リード線を曲げる必要があり(小さなケースでの)スペースの確保が必要(その為に外しました)
この状態で、先にVUメータのレベル調整用のポテンショメータを前面パネルに取り付けました。
端子盤から出ているVUメータ側のリード線をVUメータ制御基板の下に回して制御基板を取り付けました。

リード線のスペースに余裕が無いのが、伝わりますでしょうか?
前面パネルの固定
前面パネルの再度取り付け
VUメータ側のリード線をVUメータ制御基板の下に少しづつ押し込みながら前面パネルの取り付けに成功
思った以上にリード線の処理が大変だった。なんせ狭い!
(改めて、ケースにもう少し余裕があったらと思った。でも小ささを優先させたから格納できれば良し)

意外と、スッキリ!?でも、この後にまた難儀が
鮨詰め状態のケース内
底板に固定する基板固定用のネジが長すぎて、背面のDC入力端子に干渉するというハプニングもありましたが、ニッパーでネジを強引に短縮カット加工してクリア。

背面もこの通り。左から電源、照度調整つまみ、RCA入力端子。

なんとか、収まった!!!
前後のポテンショメータにツマミを付けてみました。

実はこれ、背面側は予定していませんでした(背面側は、VUの照明コントロールだし、度々使用するものでもないし、背面だから見えないし・・・と)
ところが、
決定的なことは後から発注した前面のポテンショメータに使えないことが判明
(イモネジ固定タイプではないギザギザのやつだった。 ・・・これは調度背面用にピッタリ。銀色は前面で主張しすぎだし、)
前面のツマミは、後から追加注文したイモネジ固定タイプでブラックつや消しタイプ
トラブルシューティング:右チャンネルの反乱

ここも、設計時とは位置が違う・・・さて、何でしょうか?
答えは、(これまでの画像の中に、)実際の見た目で替えました
異常発生
ワクワクしながら電源ON。しかし……
右側のメーターだけが、殆ど振り切れています。明らかに異常です。
しばらく続けても、右の針の振れが異常です。



ボリュームを最低限に絞っても、右の針の振れ位置が異常です。
犯人捜し
配線ミスか? 基板の不良か?
まずは冷静にテスターで各部の抵抗値を測ります。

このテスターは、中学生か?高校生のころから使っています。
流石メイドインジャパン、さすが日置製。
(今気づいたのですが、ロータリーパネルの保護ビニルが貼ったままでした。)
基板の側を再度、拡大目視でも、一部ハンダよごれは、ありますがショートは見当たりません。

調査の結果、信じられない事実が判明しました。
「新品で購入した2連ポテンショメータ(2kΩ)の片側が、内部でショートしている」
ノブを回しても ① ② の端子間の抵抗値が0Ωのまま変化しません。
(① ③ 間も0Ω これ完全に抵抗器の役目を果たしていませんアウトですネ。)。
まさかの部品初期不良です。
安価なパーツにはこういう落とし穴があります。
(安価だったけど、たった1つを宅急便コンパクトで丁寧な梱包だった。けど肝心の部品がこれでは、部品代の3倍強の運送費をかけて送る(買う)意味が無い)
苦渋の決断とリカバリー

手元に代わりの2kΩはありません。
あるのは、照明用に買った10kΩの2個売りの余りもののみ。
抵抗値が5倍になると、調整範囲が狭くなり、
少し回しただけで針が大きく動く「シビアな操作感」になってしまいます。
しかし、再注文して良品が来るとは限らないリスクと、数日待つ気力はありません。
Amazonや他のネットショップ複数を探しても、2kΩの物が見当たりません。
「調整が難しくなるだけなら、運用でカバーできる!」と判断し、10kΩへ換装。
結果、無事に動作しました。
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長~~~い目で見て、他で見つけられたら、買って取り換えるかも!
完成:灯火に癒やされる夜
つや消しブラックのケースに、同色のアルミつまみ。
あえてシルバーを使わず「黒」で統一したことで、プロ用機材のようなストイックな外観になりました。

暖色のバックライトが灯り、部屋の空気が一変します。
ポテンショメータのノブがギザギザに変わったので銀ツマミも試せました。

照明を少し絞ったら、やはり黒ツマミの方が渋くて上品な気がします。
皆さんはどうでしょうか?
スイッチON。
PCからUSB-DACを経由して、ビル・エヴァンスのピアノを流してみました。
繊細なタッチに合わせて、小刻みに揺れる針。ドラムのキックが入ると、大きく右へ振れます。
デジタル表示のピークメーターにはない、物理的な質量の動き。
「これだ、これが見たかったんだ……」
回路図が無いから始まり、税関トラブル、加工の苦労、部品の不良。
全ての障害を「想定内」として(あるいは冷や汗をかきながら)乗り越えた末のこの灯りは、格別の美しさです。
AIの手を借りましたが、最後にモノを言うのは、やはり「手」と「勘」と「諦めない心」でした。
皆さんも、引き出しの奥に眠っている「作りかけの夢」はありませんか? 今こそ、再挑戦の時かもしれません。
これから、再生時動画を撮り
Youtubeで公開しようと考えています。
公開後に、このページにもLinkを貼る予定です。
「ビル・エヴァンスのピアノ」は著作権の関係もあり載せられませんので、
著作権フリーのジャズピアノ演奏などを考えています。
あなたも、このページで、このページからYoutubeへの案内で、大画面でのVUメーター動きと音楽を楽しんでみませんか?
Coming soon

