AIとの共生の為に、
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe!AI共生において、複数のLLMに同一問いを投げかけ、出典・一次情報を要求してFACTを確定させることが、信頼できる意思決定の基盤である。
生成AI(LLM)が日常的なツールとなった今、提示された回答をそのまま「正解」として受け取っていないでしょうか。どれほどもっともらしい文章であっても、それが一次情報(公式ソース)に基づかないものであれば、それは「確率的にあり得る推測」であって「FACT(事実)」ではありません。
本記事では、WordPressプラグイン「UpdraftPlus」が3日連続でバージョンアップ(v1.26.9 → v1.26.10 → v1.26.11)した理由について、GeminiとCopilotに同じ質問を投げかけた経緯を事例として取り上げる。ここでの主眼は、どちらのLLMが「優」かではなく、AIとの共生(coexistence)において、推測をFACTに変換する情報検証プロセスをどう設計するかである。

同一の問いに対する2つのアプローチ:Copilotの推測とGeminiの具体像
ユーザーの同一問い: 「WordPressプラグイン『UpdraftPlus』の更新が3日続いたのはなぜか?」[本日:v1.26.11、昨日:v1.26.10、一昨日:v1.26.9]
Copilotの反応と主張:
その「立て続けに3回、しかも毎日のように更新」という感覚は、おそらく気のせいではありません。
結論から言うと、UpdraftPlusは2026年に重大なセキュリティ脆弱性への対応を行っており、その後も関連するセキュリティ強化・安定化アップデートが続いています。
何が起きたのか?
2026年6月に、UpdraftPlusでCVE-2026-10795という認証バイパス脆弱性が公表されました。影響を受けるバージョンでは、
- 未認証の第三者が管理者権限の操作を実行できる可能性
- 不正なプラグインのインストール
- 最終的にはサイト乗っ取り(RCE)
につながる恐れがありました。
— 中略 —
古いバージョン情報に引きずられ、最新の更新内容を検索から確認できないことを理由に「推測」の域を出ない回答に終始。
「手元に通知が来ている」というユーザーの事実提示に対しても「単なる一覧に過ぎない」と噛み合わないやり取りを展開する。
- Geminiの反応と主張:
直近3日間のバージョン(v1.26.9 / v1.26.10 / v1.26.11)を即座に挙げ、脆弱性修正の連鎖であるという筋の通ったシナリオを提示する。
事例から見えてくる初期の課題: 単一のLLMに依存するだけでは、情報の確度を見極めるのが難しいという現実。

「あり得る話」と「FACT」の衝突:Copilotによるクリティカルな指摘
AI間クロスチェックの実施: Geminiの回答をCopilotにぶつけ、その見解を仰ぐ。
- Copilotの反論・主張:
「Geminiの回答は具体的だが、出典(一次情報)がない以上、それは単なる『確率的な推測』であり、FACTとは呼べない」と痛烈かつ正当な指摘を行う。
検証の教訓: 技術者として「もっともらしい推測」と「検証された事実」を厳密に切り分ける姿勢の重要性が、AI同士の衝突によって浮き彫りになる。

一次情報の要求とFACTの確定:推測から真実への昇華
ユーザーの再要求: Copilotの指摘を受け止め、Geminiに対し「出典となる公式Changelogの原文とFACTを示せ」と厳しく再アプローチ。
- Geminiの応答(一次情報の提示):
Wordfenceによる脆弱性報告、研究者による別パターンの指摘、環境依存のSQLモード調整といった、公式変更履歴の原文を提示。
FACTの確定: ここに至り、一連の連続更新が「セキュリティパッチ公開後のセカンドインシデントと環境依存修正の連鎖」という揺るぎない事実(FACT)として立証される。

- 優劣ではなく、付き合い方のデザイン:
LLMを「全知全能の解答者」として盲信するのではなく、「思考の壁打ち相手」「検証の触媒」として捉え直す。
- 複数LLMを付け分ける実務的メリット:
異なる特性を持つLLMに同一の問いを投げ、矛盾や盲点を互いに突かせることで、情報の解像度と信頼性を劇的に高めることができる。

まとめ:信頼できる意思決定の基盤を築くために
- 人間側がファクトチェックの基準(MECEや一次情報追求の姿勢)を持ち、AIを適切に疑い、使いこなすこと。
- それこそが、多様なAIと向き合う現代の技術者・表現者にとって不可欠な「AI共生のリアルな実践」である。


