Windows 11 バージョン25H2(2025 Update)の概要は以下の通りです。
1. リリースと配布形式
リリース時期: 2025年後半に正式リリースされました。
配布形式: Enablement Package(イネーブルメントパッケージ / eKB)方式を採用した軽量アップデートです。
バージョン24H2と共通のコードベース(共有サービスブランチ)を利用するため、eKB(200KB未満のパッチ)を受信し、一度再起動するだけで短時間で25H2へアップデートが完了します。
前提条件として、バージョン24H2がインストールされている必要があります。
入手方法:
「最新の更新プログラムが利用可能になったらすぐに入手する」設定を有効にしている24H2端末に順次配布されます(制御されたロールアウト)。
企業・教育機関向けには、Intune、Windows Autopatch、WSUS(2025年10月14日から)などのチャネルが用意されています。
2. 主な特徴と新機能
25H2は機能追加よりもセキュリティ強化と既存機能の有効化・最適化に重点を置いています。
カテゴリ 特徴・新機能
セキュリティ AI支援によるセキュアコーディングの組み込み、ビルド時および実行時の脆弱性検出の強化。企業のセキュリティ対策を進化させます。
Copilot / AI Copilot機能の強化:OSに常駐化され、Web検索、文章作成、画像生成、Windows設定の変更(例:「ダークモードにして」)、タスク管理の補助など、多くのアプリと連携して作業効率を向上させます。
ユーザーインターフェース スタートメニューの刷新(ピン留めとアプリリストの一体化)、設定UIの統一(コントロールパネルの機能が「設定」アプリにさらに統合)、エクスプローラーの改善などが検討されています。
システム管理 PowerShell 2.0およびWMIC(Windows Management Instrumentationコマンドライン)といった一部のレガシー機能が削除されました。既存のスクリプトや管理手順の見直しが必要です。
企業向け Wi-Fi 7のサポート、グループポリシーによる一部のプリインストールされたMicrosoft Storeアプリの削除オプション追加。
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3. サポート期間の変更
25H2のリリースにより、サポートライフサイクルがリセットされます。
Home/Proエディション: リリース日から24か月間
Enterprise/Educationエディション: リリース日から36か月間
4. 運用上の注意点
eKB方式のため更新自体は軽量ですが、企業導入時はドライバーやアプリの互換性検証、バックアップ体制、ロールバック手順の事前整備が不可欠です。
レガシー機能の削除に伴い、既存の管理スクリプトが影響を受けないか確認が必要です。
互換性の問題が検出されたデバイスにはセーフガードホールドが適用され、配信が停止されることがあります。
